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2003年10月15日(水) 00時43分

「過払い分の年金戻せ」社保庁職員名乗り詐欺相次ぐ読売新聞

 「年金を払い過ぎたので、指定口座に過払い分を戻すように」。社会保険庁の職員などを名乗り、返金などを求める不審電話や訪問が全国で相次ぎ、実際に年金受給者らが7件、計143万5000円をだまし取られる被害が起きていることが14日、社会保険庁の集計で分かった。

 社保庁では「れっきとした詐欺事件。社会保険庁が電話で現金振り込みなどを依頼することは絶対にない」と注意を呼びかけている。

 社保庁によると、不審電話や訪問の報告があったのは、北海道や東北、北陸、中国地方などの計15道府県。今年6月から今月10日までに計90件に上っている。受給者らに対し、年金過払い分の返還請求や、「国民年金の保険料が未納なのですぐ払うように」「社会保険手続きのため手数料が必要」といった内容という。また、社保庁や社会保険事務所職員や、「国民年金」「債権」などを含んだ架空とみられる会社・団体名を名乗る人物から電話や訪問を受けたという。

 福井県では9月下旬に受給者らが4件、計127万円を詐取された。このほか、7月には岩手県で、実際には存在しない「社会保険庁年金監察部監察官」を名乗る男から「年金の未払い分の支払い手続きを代行するので、キャッシュカードを預かる」と言われ、9万5000円が引き出された受給者の家族もいたという。

 年金受給者らに対する不審電話は昨年度1年間で約4000件。ただ、これまでは住所や金融機関の口座番号などの個人情報を聞き出そうとするケースが大半で、金銭的な被害が判明したのは初めて。一方、社保庁では今年6月、年金の過払いや未払いの支給ミスが発覚し、該当する年金受給者におわび状を送付する事態が起きており、社保庁は「支給ミスに伴う混乱に便乗した手口の可能性もある。不審な動きがあれば、すぐに近くの社会保険事務所に知らせてほしい」と話している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031014-00000513-yom-soci