2003年10月15日(水) 00時00分
組織検査ミスでがんと誤診 肺の一部摘出、栃木の病院 (東京新聞)
宇都宮市の宇都宮社会保険病院で2001年1月、栃木県内の40代の男性患者が肺がんと誤診され、左肺の半分を摘出されたことが15日、分かった。組織検査の検体に、誤って別の肺がん患者の検体が混入したのが原因だという。
男性は摘出手術の翌月、縫合部に穴が開く合併症のため再手術を受けたが、脳こうそくを併発し、意識不明の状態が続いている。病院側はミスを認め、すでに患者側との示談が成立した。
病院によると、男性はエックス線検査で肺の影を指摘され、宇都宮社会保険病院で診察を受けた。病院は、内視鏡で肺の腫瘍(しゅよう)とみられる部位の細胞片を採取して検査。肺がんと診断し、腫瘍のあった左肺の下半分を摘出したが、腫瘍は良性だった。
病院が調査した結果、同じ日に採取された別の末期がん患者の検体が、男性の検体に混入した可能性が高いことが判明したという。
昌子正実院長は「病院として責任を感じている。合併症は偶発的なものだと思うが、すべての発端は検査ミスであり、申し訳ない」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20031015/fls_____detail__025.shtml