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2003年10月14日(火) 11時06分

2年前にも腹腔鏡手術後に患者死亡 昭和大藤が丘病院朝日新聞

 昨年10月に腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた女性患者が手術後に死亡したことが明らかになった昭和大学藤が丘病院(横浜市青葉区)で、2年前にも腹腔鏡を使った子宮の腫瘍(しゅよう)摘出手術を受けた女性が手術の約1カ月半後に亡くなっていたことがわかった。病院側は手術が死亡につながった可能性は認めたが、医療ミスについては否定している。遺族は「死因はミスによるもの」として、同病院に損害賠償を求める訴訟の準備を進めている。

 亡くなったのは、東京都町田市の主婦川内明美さん(当時40)。

 夫の康羊さん(47)によると、明美さんは01年11月5日、同病院で腹腔鏡による子宮筋腫と卵巣膿腫の摘出手術を受けた。手術は4時間ほどで終了した。

 同7日未明、明美さんの血圧が低下。主治医はいったん膵炎(すいえん)と診断して投薬治療した。しかし、その後の検査で腹膜炎と診断を変え、同日昼ごろに開腹手術をした。開腹した際、腸に4センチほどの穴が見つかった。臓器洗浄などをして手術は終了したが、明美さんの容体は快復せず、約1カ月半後の12月21日に亡くなったという。

 遺族側は腹腔鏡手術で腸に傷をつけたのと、手術後に腹膜炎だと気づくのが遅れた医療ミスが原因とみている。

 これに対し、病院側は腸に穴が開いていたことを認めたうえ、「手術が何らかの原因になっている」とする執刀医らの説明文書を01年11月から12月にかけて遺族側に提出した。しかし、手術のビデオを見ても腸に傷をつけるようなことはしていないと、同じ文書の中で医療ミスを否定している。

 執刀医を指導する立場だった同病院の教授は朝日新聞社の取材に、「手術中のビデオを検討したが、どこで腸に傷をつけたかは分からず、医療ミスかどうかははっきりしない。臨床データに基づいて膵炎と判断したが、術後の症状悪化の原因はほかの点も疑うべきだった」と話している。

 病院側は16日に事故調査委員会を開き、手術を再検証する予定だという。(10/14 09:57)

http://www.asahi.com/national/update/1014/005.html