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新しいIP電話を開発したのは、米カリフォルニア州のSIPフォン社。専用の固定電話機を同社から購入し、ADSL(非対称デジタル加入者線)などのブロードバンド回線に接続して使用する。個々の電話機に米国内の加入電話番号が割り当てられ、相手先番号を押すと米国内の同社の通話サーバー(ネット上のサービスを提供するコンピューター)を経由して相手につながる仕組み。電話機の購入後は国内・国際電話を問わず通話料や月額料は無料だ。
回線に電話番号を割り当てているのではなく、電話機そのものに割り当てているのが特徴。このため、電話機を持ち運んで出張先などでブロードバンド回線に接続すれば、世界中どこででも無料で通話が可能になる。ただ、現時点ではSIPフォンと加入電話の通話はできず、同じSIPフォン同士しか通話できないなど利用範囲は限られている。
電話機はインターネットを通じて購入が可能で、1台79.99ドル(約8800円)、2台129.99ドル(約1万4000円)。今月末からは、日本国内でも販売が開始される。
国内で提供されているIP電話は、NTTの加入電話を利用して相手を呼び出す方式のため、NTT回線を契約していないと利用できない。また、パソコン同士でインターネット通話は可能だが、電話のように相手を呼び出すことができず利用範囲が限られている。
これに対しSIPフォンは、既存の電話回線網を使用せず、CATV(ケーブルテレビ)や社内LAN(構内情報通信網)など非NTT網同士で双方向通話ができる。今後、携帯電話サイズの端末機を開発すれば携帯IP電話が実現する可能性もある。
早稲田大学国際情報通信研究センターの高川雄一郎研究員は「既存の電話回線に依存しないSIPフォンの登場は、NTTや携帯電話会社などの電話事業モデルを一夜にしてひっくり返す可能性がある」と指摘している。