2003年10月12日(日) 00時59分
CDコピー防止技術回避の学生提訴は取りやめ(ZDNet)
SunnComm Technologiesは10月10日、前日口にしていた方針を覆し、CDのコピー防止技術解除方法を論文で公表したプリンストン大学の学生を提訴はしないと表明した。
この学生はプリンストン大学博士課程のジョン・“アレックス”・ホルダーマン氏。Shiftキーを押すだけでCDのコピー防止技術を回避できる手法を記した論文を公開したことから、この技術の開発元であるSunnCommは9日、ホルダーマン氏を米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)違反で提訴する構えを見せていた。
しかしSunnCommのピーター・ジェイコブズCEOは、提訴をちらつかせたことは誤りだったと認めて次のように語っている。「この研究者にはやるべきことがあり、それをやったまでだと思う。しかしそれは適切ではない。訴訟が長引いて感情的な結果を引き起こすようになれば、問題があいまいになり、独り歩きしてしまうだろうと考えるに至った」
ジェイコブズ氏は気が変わった理由は明らかにせず、「最初の嵐が去って、別の関係者(顧客、アドバイザー、株主を含む)の意見を聴く機会を持った段階で、この問題を別のやり方で解決することに目を向けるようになった」とだけ述べている。
ホルダーマン氏は10日、「論文がDMCA違反には当たらないとの確信はあったが、同社が引き下がると決定したことはうれしく思う」と語った。
SunnCommが提訴の構えを見せたことはすぐさま注目を集め、法律専門のアナリストからは、訴訟が起こされた場合、DMCAの著しい乱用を示すものになるだろうと指摘する声も出ていた。DMCAではコピー防止技術の「回避」を広範にわたって禁止。ごく一部の例外として、リバースエンジニアリングと学術研究は適用外とされているが、米国議会には現在、この例外対象を広げる内容の法案が提出されている。(ZDNet)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031012-00000001-zdn-sci