聴覚障害者の緊急事態に対応携帯メールで１１９番都内で今月末から（東京新聞）

2003年10月11日(土) 00時00分

　東京消防庁は、自力で１１９番通報できない聴覚障害者を対象に、携帯電話の電子メールによる「緊急メール通報」のサービスを今月末から始める。同庁は「聴覚障害を持つ方に、ぜひ利用してもらいたい」と話している。

　ＮＰＯ法人「東京都中途失聴・難聴者協会」（東京都新宿区）によると、メールによる通報は、横浜市や大阪市などで実施されているが、「都道府県レベル全体で利用できるのは初めてではないか」という。

　同庁によると、利用対象者は都内（東久留米、稲城両市と島しょ部を除く）に在住または通勤、通学する聴覚障害者。百九十二文字以上を入力できる携帯電話（パソコンは不可）から利用できる。

　事前登録が必要で、登録は、氏名や連絡先などを「情報入力用アドレス」（toroku.r119.tfd@mail-119.jp）に送信し、「緊急通報用アドレス」が返信されれば完了。約一時間後から通報が可能になる。

　緊急時に「救急」か「火災」と明記し、自分のいる場所や状況を書き込んで「緊急通報用アドレス」に送信。

　受信先の同庁災害救急情報センターから指令を受けた救急車や消防車が出動する。

　全国各地の消防本部は一九九〇年代末ごろからファクスによる１１９番通報サービスを開始。しかし、自宅以外からは通報できず、登録制ということもあり、あまり積極的に利用されていないのが現状という。

　緊急メール通報の受け付けは今月三十日午前九時から。

　東京消防庁ホームページ（http://www.tfd.metro.tokyo.jp）で詳しい利用方法が閲覧できる。

悪のニュース記事