2003年10月09日(木) 03時05分
<医療過誤>腹腔鏡手術後に死亡 遺族がミス主張(毎日新聞)
昭和大学藤が丘病院(横浜市青葉区)で昨年10月、副腎の腫瘍(しゅよう)を摘出する「腹腔(ふっくう)鏡手術」を受けた女性が約1カ月後に死亡していたことが分かった。8日、東京都内で会見した遺族は「手術ミスから死亡した」と訴えたが、病院側は否定している。遺族から届け出を受けた神奈川県警青葉署は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。
死亡したのは、川崎市の派遣社員、中沢操さん(当時29歳)。昨年8月に副腎がホルモンを過剰分泌し、肥満などを引き起こす「クッシング症候群」と診断された。同年10月1日に同病院で約8時間半にわたる腹腔鏡手術を受けたが、翌日に大量出血してショック状態となり、開腹して再手術したが、同28日に死亡した。
母親の美智代さん(55)によると、病院側は腹腔鏡手術の際に血管に留めていたクリップが外れていたミスを認めたが、死因はくも膜下出血と主張し、手術との因果関係を否定しているという。
美智代さんは「司法解剖では、死因は副腎動脈の縫合不全による出血死と報告されており、手術ミスの疑いがある。病院側に外部の専門家を交えた調査委員会の設置を求めたが、1年たっても納得できる返事はない」と真相解明を求めている。
同病院は8日夜、報道陣に「医療ミスとは考えていない」とだけコメントした。9日午前、記者会見を開く予定だ。
腹腔鏡手術は開腹せずに小さな穴から内視鏡や手術器具を入れ、モニターを見ながら行う手術。警視庁は先月末、同手術のミスで患者を死亡させたとして、東京慈恵会医科大学付属青戸病院の医師ら3人を業務上過失致死容疑で逮捕した。【須山勉】(毎日新聞)
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