2003年10月09日(木) 15時49分

ミルク誤注入：和歌山医大病院元医師の控訴棄却　大阪高裁（毎日新聞）

　和歌山県立医大付属病院のミルク誤注入事故後に死亡した女児のカルテデータを盗み、インターネットのホームページ（ＨＰ）に流して同大教授の名誉を傷つけたなどとして、窃盗や名誉棄損などの罪に問われた元同病院医師、小野知美被告（４２）に対し、大阪高裁は９日、懲役２年、執行猶予３年の和歌山地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。那須彰裁判長は「社会的な正当性を欠いた行為」と指摘した。

　判決によると、小野被告は９８年４月〜９９年５月、同病院から女児のカルテのデータが入った光磁気ディスク１３枚を盗み、偽名で開設したＨＰに掲載。「（女児が入院していた病棟の実質責任者の）男性教授が看護師に看護記録から事故の記載を省くよう命じた」などと書き込んで教授の名誉を傷つけた。

　同病院では９４年１０月、看護師が女児の静脈に誤ってミルクを注入して死亡する事故が起きたが、病院は隠していた。９７年２月に発覚、病院は女児のカルテ改ざんを認めたが、改ざんの指示者は不明のまま調査を打ち切った。【田中謙吉】

［毎日新聞１０月９日］ ( 2003-10-09-15:49 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031009k0000e040075001c.html