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2003年10月07日(火) 15時34分

高齢者だます新手ヤミ金、年金担保貸し付け悪用で逮捕読売新聞

 年金暮らしの高齢者に金を貸して法外な金利を取ったとして、警視庁は7日、東京都内のヤミ金融業者2人を出資法違反(高金利)の疑いで逮捕した。

 2人は、融資を求めて来た高齢者に、独立行政法人「福祉医療機構」の年金担保貸付制度を利用させ、同機構からの融資金を事実上担保に貸しつける新手の手口で債権を回収していた。警視庁は、2人が毎月約200人の高齢者に融資を行い、これまでに数億円にのぼる違法金利を取り立てていたとみて追及している。

 逮捕されたのは、東京都東村山市、貸金業中尾勉(60)と福生市、貸金業従業員崔茂満(31)の両容疑者。

 調べによると、中尾容疑者らは新宿区内に貸金業「プレジデントインターナショナル」「コンチネンタルリサーチ」を経営し、2000年12月下旬から今年6月までの51回にわたり、都内の無職女性(72)ら5人に、計3050万円を貸し付け、法定金利の1・5—12倍にあたる違法金利568万円を取り立てた疑い。

 両容疑者は、5年ほど前から、口コミや、多重債務者の名簿などをもとに年金を受給している高齢者を勧誘して、違法な融資を行うようになった。

 公的年金を担保に民間の金融業者が融資することは法律で禁止されている。このため、両容疑者は高齢者に、独立行政法人の福祉医療機構の年金担保貸付制度を使って融資を受ける手続きを取らせた上で、融資申込書と住民票、印鑑証明、キャッシュカードなどを取り上げ、融資していた。

 同機構の貸付制度では、申し込みから融資まで約1か月かかることから、両容疑者は融資金が、高齢者の口座に振り込まれた後、預かったキャッシュカードで元本と利息を引き出していた。両容疑者は「100%(債権を)回収できると思った」と供述している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031007-00000106-yom-soci