2003年10月02日(木) 23時17分
<医療過誤>気管内チューブが食道に入る 男性患者が死亡 (毎日新聞)
横浜市立市民病院(福島恒男病院長、同市保土ケ谷区)は2日、他の病院から救急搬送された50代の男性患者の食道に、誤って挿管されていた気管内チューブを発見するのが遅れ、患者が搬送翌日に死亡したと発表した。
同病院によると、患者は9月30日、重症の肺炎で呼吸不全に陥り、磯子中央・脳神経外科病院(上田慎介病院長、同市磯子区)で診察を受けた。家族の希望で市民病院に搬送されることになったが、搬送直前に磯子中央病院の男性医師が人工呼吸を施すため、気管内チューブを挿管。午後7時、救急車で市民病院に搬送された。
市民病院の男性医師(39)がX線写真などで挿管状況を確認し、気管に挿管されていると判断した。しかし1日午前10時半ごろ、心肺停止状態となった際、管から胃の内容物が見つかったことから食道への挿管に気づいた。管を気管に再挿入して心臓マッサージを施したが、患者は約1時間後に死亡した。
搬送直後から人工呼吸器を装着したにもかかわらず、血液中の酸素濃度は低いまま改善しなかった。市民病院は「酸素濃度が低いことに疑問を呈したり、X線写真を注意深く見れば診断できた」とミスを認めている。
磯子中央病院は「チューブが気管に入っていることを確認した。問題はない」と反論している。
一方、神奈川県警保土ケ谷署は司法解剖の結果、死因を肺炎と断定した。関係者から事情を聴く方針だ。【山本浩資、内橋寿明】(毎日新聞)
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