2003年10月01日(水) 14時47分

新幹線品川駅が開業、パソコン回収…変わる１０月（読売新聞）

　さわやかな秋空が広がった１日、新幹線の新駅となる品川駅が開業、晴れやかなスタートを切った。補助犬の受け入れが民間の施設にも義務付けられ、首都圏ではディーゼル車の走行規制が始まるなど、生活にかかわる新しい制度も相次ぎ導入された。

　◆品川駅に初列車◆

　東海道新幹線で１７番目の新駅となった品川駅（東京都港区）では、午前６時過ぎから初列車の出発を祝う式典が行われた。同６時２６分、東京発広島行き「のぞみ４１号」が到着すると、同駅から約２５０人が乗り込み、関係者や鉄道ファンの大きな拍手に見送られて１分後に出発した。ＪＲ東海は１日の乗降客を約６万人と見込んでいる。

　この日は新幹線のダイヤ改正も行われ、停車駅の少ない「のぞみ」の運行本数が、これまでの定期・季節列車合わせて１日あたり７５本だったのが、１３７本に増えた。

　◆補助犬、いつも一緒◆

　盲導犬や介助犬を公共的な施設に同伴できるよう定めた「身体障害者補助犬法」が１日、完全施行された。昨秋の同法施行以降、国や自治体の施設やバス、電車などに義務づけられていた「同伴受け入れ場所」が、不特定多数の人が出入りするホテルやデパート、コンビニなどにも広がった。

　日本補助犬協会（東京都世田谷区）副理事長の今井圏児さん（６１）は同日午前、いつも同伴している盲導犬「プリンス号」とともに、同協会近くのコンビニなどを訪れた。最近は盲導犬への理解が進み、入店を拒む店舗はほとんどないというが、「法律が施行されたことで、さらに心強くなった」と、今井さんは話していた。

　◆パソコン、郵送で回収◆

　使用済みの家庭用パソコンの回収が、１日からメーカーに義務付けられた。パソコンの部品に使われている鉄や金などの再利用と、鉛など有害物質の適正な処理が目的だ。

　消費者は３０００—７０００円の費用をメーカーに払い込み、パソコンを郵送する。今後、新品のパソコンの販売価格には回収費用が上乗せされるため、廃棄時に費用を負担する必要はない。

　ソニーでは、「一般家庭にパソコンが普及したのはせいぜいここ５年。ごみとして大量に出るのは、まだ先の話でしょう」としている。

　◆国立大統合◆

　来年４月の法人化を控え、１０組２０校の国立大が１日付で統合された。昨年度統合した２組４校に続くもので、同１県内の総合大と医科大の組み合わせが多い。これで全国の国立大は８７校となった。

　東京水産大と東京商船大は、統合されて東京海洋大に生まれ変わった。新大学の「品川キャンパス」となる旧水産大ではこの日、新しい「看板」の除幕式が行われた。

　◆独立法人◆

　１日から、３４の特殊法人や認可法人が改組され、３２の独立行政法人に衣替えした。

　元理事らが香港企業の未公開株を受け取っていたことが発覚した「日本貿易振興会」は「日本貿易振興機構」に改称。渡辺修理事長は職員を集め、「新法人に移行する直前に、世間を騒がせたことを謙虚に受け止めて仕事に取り組んでほしい」と訓示、当面は、職員にあらゆる未公開株の取得を禁じるとの方針を示した。

　「緑資源公団」は「緑資源機構」に改称。幹部職員は「表向きの名前だけでなく、職員の意識を変えなければ」と語っていた。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031001-00000309-yom-soci