悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
東証1部上場の食肉・加工食品会社「プリマハム」(東京都品川区)が、アレルギー原因物質の卵を製品の原材料として使いながら表示せずに販売したとして、警視庁は近く、法人としてのプリマハムと当時の担当部署幹部らを食品衛生法(表示基準)違反の疑いで立件する。警視庁によると、02年4月に卵や小麦などアレルギー物質5品目の表示が義務付けられて以降、表示義務違反で立件されるのは初めてという。
この製品を食べてアレルギー症状を訴えた人は確認されていないが、食物アレルギーに悩む人にとって原材料の表示の有無は生死にかかわることもある。警視庁は「重大な結果を招くおそれがあった。軽視できない」と判断した。
製品は、スーパーのジャスコなどを運営する「イオン」(千葉市)から製造を委託された「トップバリュ アスパラベーコン巻」。プリマハムは自社で作らず、静岡市の総菜会社に委託していた。総菜会社は別の肉製品製造会社からベーコンを仕入れていた。
生活環境課の調べでは、プリマハムは原材料の表示が義務化されてからも、ベーコンに卵が使われていることを知りながら、製品の原材料表示欄に卵を表示せず、イオン側に売った疑い。このベーコンでは、肉と肉のつなぎとして製造段階で卵が使われていた。
プリマハムはホームページで「委託先(の総菜会社)が01年6月以降、卵の入ったベーコンに切り替えたことに気付かなかった」などと説明していた。
イオンによると、「トップバリュ アスパラベーコン巻」は98年から販売し、系列の全国約750のスーパーなどで02年4月から今年1月までに約47万パック売ったという。イオンは2月から、この「ベーコン巻」を含むプリマハム製品を販売していない。
イオンからの刑事告発を受けて警視庁は今年6月、プリマハム本社などを家宅捜索し、関係者からの事情聴取を続けていた。
プリマハムの広報担当は朝日新聞の取材に「捜査中であり、話をするのは差し控えたい」と話している。
◇
<食物アレルギー物質> 食品衛生法の関連法令の改正で、卵、乳、小麦、そば、落花生の5品目は食物アレルギーの症例が多いか、症状が重い「特定原材料」として、加工食品への表示が義務付けられた。さらにエビ、大豆、鶏肉、マツタケなど19品目についても可能な限り表示するよう求めている。アレルギー患者がこれらの食品を食べた場合、かゆみやじんましんだけでなく、急激な血圧低下や呼吸困難、意識障害でショック症状を起こすこともある。厚生労働省によると、死亡例もある。
(09/30 06:37)