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単純な配線ミスが、都心と多摩をつなぐ首都の動脈を断ち切った。JR中央線は28日、線路切り替え工事を終えて、朝から動くはずだった電車が、午後2時前まで三鷹—立川間で全面的に止まった。「情報が伝わらない」「これでは人災だ」。足止めされた人たちは、いらだちを募らせた。
午前9時過ぎ、国分寺駅の改札口付近。数百人の乗客が消えたままの電光掲示板をにらんでいた。「いつになったら動くんだ」。何人かの乗客は駅員に詰め寄った。
同駅の南口では、三鷹駅へ向かう代行輸送バス乗り場に長蛇の列ができ、歩道から駅構内まであふれた。しかし、代行バスは走らなかった。バスの運転手は「会社からは何の指示も受けていない」と、駅員に繰り返した。「ここで待っていてもバスは来ません」。駅員がハンドマイクで運行中止を知らせると、客たちのいらだちはピークになった。
礼服姿の自営業の男性(52)=三鷹市=は、昭島市であるおいの結婚式に向かう途中だった。「もう着いているはずだったのに、完全に間に合わない。朝のテレビでも分からなかった。どうして早く知らせてくれないのか」。日野市の会社員の女性(32)は「震災の時の神戸を知っているが、代行バスはもっと整然としていた。これは人災じゃないんですか」。
午前10時半ごろ、三鷹駅北口で代行輸送のバスを待つ長い列にいた女性(60)=千葉県船橋市=は、寝たきりの母に会いに小平市の実家へ向かう途中だった。「朝6時のニュースでは、7時に運行再開と言っていたのに。連絡しようにも寝たきりの母は電話が取れない」。結局、バスをあきらめてタクシーに乗り込んだ。
渋谷の百貨店に勤める桜井俊夫さん(40)=府中市=は、朝起きてすぐ、パソコンでJRのホームページを調べた。運行状況の情報は見当たらなかった。問い合わせ電話も受け付けは午前9時から。仕方なく、いつもより20分ほど早く午前7時半に家を出て、国分寺駅に向かった。
駅は騒然としていた。「やっぱり動いてなかった」。路線バスで府中駅へ行き、京王線に乗り換えた。始業時間には間に合った。しかし、怒りがこみ上げる。「なぜ利用者がもっと簡単に情報を得られるようにできないのか」(09/28 21:11)