2003年09月26日(金) 09時09分
Webを揺るがすMS敗訴で逆転した業界の風向き(ZDNet)
米Macromediaのサンフランシスコ本社で最近開かれたW3C主催の戦略会合で、シリコンバレーの各社は「Microsoftをどうしたものか」というお決まりの疑問を投げかけた。
しかし、参加者がMicrosoftの勢力に対抗する目的で集まるのが常だった従来の会合と、今回の会合とでは大きく様相が異なっていた。今回の主賓はMicrosoftだった。
この風向きの変化は1件の特許訴訟がもたらしたものだ。シカゴの連邦裁判所でMicrosoft敗訴の評決が下されたことにより、同社はソフト業界ほぼ全体の支持を取り付ける格好となり、標準化団体からライバル企業に至るまでが競ってMicrosoftのInternet Explorer(IE)の弁護に努めている。
この評決によって、Webの基盤となっているHTML言語に重大な変更を強いられる恐れがあるとの観測が高まっている。Microsoftの競合企業は、同社を提訴したEolasが次は自分たちを標的にするのではないかと恐れ、パートナー企業のMacromediaやSun Microsystemsは、IEに対する禁止命令によって自社のプラグインを走らせることも禁止されるのではないかと懸念している。
この結果、従来のパートナーやライバルといった関係が逆転し、ブラウザ市場で長年にわたって苦しめられてきた競合企業が宿敵Microsoftの支持に回るようになっている。同時にEolas訴訟が進行するにつれ、Eolas創設者で唯一の社員でもあるマイク・ドイル氏を日和見主義者だと批判する声も出てきた。これに対してドイル氏は、自分は強欲な支配者に対抗してWebのために行動しているのだと主張している。(ZDNet)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030926-00000005-zdn-sci