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東京慈恵会医科大学付属青戸病院(東京都葛飾区)で手術を受けた男性が死亡し、担当した斑目(まだらめ)旬容疑者(38)ら医師3人が業務上過失致死容疑で逮捕された事件で、3人が手術前に、許可する権限を持つ泌尿器科の診療部長(52)に対し「腹腔(ふくくう)鏡手術をやってみたい。自分たちで研究したい」と求めていたことがわかった。
前立腺がん摘出のための腹腔鏡手術は難度が高いため、同大では五つある付属病院のうち、手術経験のあるベテラン医師が在籍する本院(港区)など3病院に限って実施し、青戸病院では認められていなかった。警視庁は、3人が助手としてか、動物相手にしか経験したことのない手術をすることで、医師としての技術を向上させようとしたとみている。
また腹腔鏡手術は実施に際し、大学の倫理委員会と青戸病院内の部会での承認を得ることが内規で定められているが、斑目容疑者らはこの手続きを無視していた。
調べでは、男性は昨年9月、前立腺がんと診断され、同11月5日に入院した。主治医の長谷川太郎容疑者(34)は同日、患部の摘出方法として、男性本人と家族に対し、腹部に直径約1センチの穴を数カ所開けて内視鏡などを入れる腹腔鏡手術を行うことを説明した。しかし、この手術の難しさや命の危険が伴うことについては十分に説明しなかった。より安全とされる開腹手術は勧めなかったという。
男性側への説明に先立つ昨年10月下旬、手術の方法を決める泌尿器科内の会議があった。逮捕された3人は、腹腔鏡手術を採用し、助手としての経験が2度ある斑目容疑者を執刀医にすることを診療部長に提案した。この時「自分たちだけでやって(手術の)問題点を明らかにしたい」と求めたという。
診療部長はこれを了承し、「危なくなったら(安全な)開腹手術にしろよ」と指示した。倫理委員会と部会で承認を得る手続きはしなかった。部長は調べに「承認が必要とは知らなかった」と話しているという。病院によると、診療部長も前立腺がんの腹腔鏡手術の経験がなかったという。
(09/25 22:50)