2003年09月25日(木) 21時10分
マツヤデンキが民事再生法申請、産業再生機構が支援へ(読売新聞)
大手家電量販店「マツヤデンキ」(大阪証券取引所1部上場、本社・大阪市)は25日、子会社の北海道マツヤデンキ(本社・札幌市)とともに民事再生法の適用を大阪地裁に申請し、事実上破たんした。
負債総額は、両社合計で約727億円。産業再生機構は同社の再建を支援する方針で、26日午後に産業再生委員会を開き、支援を正式決定する見通しだ。
再生機構が、法的整理に入った企業を支援するのは初めて。民事再生法で複雑な債権・債務関係を円滑に処理した上で、再建を迅速に進める狙いがある。こうした形で再生機構を活用する例が広がりそうだ。
産業再生機構は、マツヤデンキの主力銀行である、りそな銀行と再建策を協議してきたが、権利関係が複雑に入り組んでいることから、再建を円滑に進めるためには、民事再生法の適用を申請して、過去の債権・債務関係を断ち切る必要があると判断した。
マツヤデンキは今後、1週間で、再建の後ろ盾となるスポンサー企業を公募する。その後、優良店舗だけを切り離した上で、11月末までに、スポンサーが新設する会社に営業譲渡する計画だ。この間、再生機構は、りそな銀行とともに、営業に必要な運転資金を数十億円規模で供給する。また、納入メーカーなどの売掛債権は原則、保護する方針で、同社が営業を続けながら再建を進められるように、最大限の配慮をする。
さらに、機構は、新会社の再建が軌道に乗った段階で、金融機関や企業再生ファンドなどから出資を仰ぐ方向で調整している。
マツヤデンキは、大阪や名古屋を中心に全国で直営85店、子会社20店のほか、フランチャイズ189店(6月末現在)を展開している。関東系のヨドバシカメラやヤマダ電機などが、関西で郊外型の大型店舗を積極的に出店したのに伴い、収益が悪化し、2002年3月期には、税引き後利益が99億円の赤字に転落した。4月以降も、天候不順などで売り上げが低迷していた。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00000013-yom-bus_all