2003年09月25日(木) 12時40分
<オウム>中村被告に控訴審も無期懲役判決 東京高裁(毎日新聞)
松本サリンなど4事件に関与したとして殺人罪などに問われたオウム真理教(アーレフに改称)元幹部、中村昇被告(36)の控訴審で、東京高裁は25日、無期懲役の東京地裁判決(01年5月)を支持し、被告側、検察側双方の控訴を棄却した。仙波厚裁判長は「犯行は理不尽極まりなく、残虐非道だが、関与は従属的、追随的で、終身刑または終身刑に近い無期懲役が相当だ」と述べた。
争点となっていた中村被告の松本サリン事件に対する認識について、判決は「噴霧物質がサリンとは知らなかった」と判断した1審判決を否定し、「教団に殺傷能力を持つサリンをまく計画があり、松本で噴霧実験をするとの認識があった」と指摘した。しかし、中村被告も関与したボツリヌス菌培養などの過去の計画がいずれも失敗していたことを挙げ「サリン噴霧が成功し、被告が大量の死者が出るのを望んでいたと断定はできず、確定的な殺意までは認められないとした1審判決は結論として正しい」と認定した。
そのうえで量刑について「教団最古参の幹部として多くの違法行為にかかわり、責任は極めて重大だが、極刑はちゅうちょせざるを得ず、また有期刑の範ちゅうにとどまるものでもない」と結論付けた。
判決によると、中村被告は94年6月、松本智津夫(麻原彰晃)被告(48)=死刑求刑=ら幹部の指示を受け、長野県松本市の裁判官宿舎近くのサリン噴霧に警護役として加わり、7人を死亡させるなどした。また、目黒公証役場事務長の仮谷清志さん(当時68歳)の拉致監禁致死(95年2月)▽信徒だった冨田俊男さん(当時27歳)リンチ殺害(94年7月)▽サリンプラント製造(93年11月〜94年12月)——の3事件に関与した。【清水健二】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00001042-mai-soci