2003年09月25日(木) 12時46分
オウム元幹部の中村昇被告、2審も無期懲役(読売新聞)
松本サリン、仮谷清志さん拉致(らち)など4事件で殺人罪などに問われた元オウム真理教幹部・中村昇被告(36)の控訴審で、東京高裁は25日、1審・東京地裁の無期懲役判決を支持し、検察、弁護側双方の控訴を棄却する判決を言い渡した。
仙波厚裁判長は「数多くの違法行為にためらいなくかかわった責任は重いが、松本サリン事件での役割は従属的で、被害が出ることを明確に認識していなかった」などと述べた。
判決によると、中村被告は首謀者の麻原彰晃こと松本智津夫被告(48)らと共謀し、1994年6月27日、長野県松本市内でサリンを噴霧して7人を殺害。警備役として、サリン噴霧車とは別のワゴン車内で待機した。同年7月上旬には、山梨県上九一色村の教団施設内で冨田俊男さんをリンチして殺害、遺体を焼いた。
翌年2月28日には、東京都内の路上で仮谷清志さんを拉致し、同村の教団施設で死亡させた。93年から94年にかけては、多数の信者と共謀して同村にサリン量産プラントを建設した。
1審判決は、中村被告が松本サリン事件で警備役だったことを考慮し、「役割は従属的で、噴霧したのがサリンとは認識していなかった」と判断。松本被告ら他の幹部とは責任に差があるとして、検察側の死刑求刑を退けた。
これに対し、検察側は「教団幹部としての被告の重要な役割や責任の評価を誤っている」、弁護側は「松本サリン事件で被告には殺意はなかった」などとして、それぞれ控訴していた。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00000503-yom-soci