2003年09月25日(木) 03時08分
交通事故男性に「異常なし」診断、翌朝に死亡(読売新聞)
島根県大田市立病院で今月17日、交通事故で体を打って搬送された男性会社員(67)が、当直の医師から腕のけがの縫合だけで「異常なし」と診断され、帰宅した約18時間後に倒れて死亡していたことが24日、わかった。
解剖の結果、会社員は肺挫傷を起こしており、県警は、肺挫傷を見逃した可能性があるとみて、業務上過失致死の疑いで医師から事情聴取を始めた。
大田署によると、会社員は17日未明、乗用車を運転中にガードレールに衝突。車内で救急車を待っていた時、軽乗用車に衝突され、体を打って市立病院に運ばれた。
当直の20歳代の男性外科医は、左ひじの傷を縫合後、会社員が「胸が痛い」と訴えたため、ひじや胸、腹、首をレントゲン撮影。胸や頭、腹についてはCT(コンピューター断層撮影法)検査も行った。
この結果、当直医は「異常はない」と説明。経過観察の入院を勧めたが、会社員が断ったため、帰宅させたという。
ところが、会社員は翌18日午前3時前、自宅のトイレで血を吐いて倒れているのを家族が発見。心肺停止状態で市立病院に再び運ばれたが、同7時過ぎに死亡が確認された。
病院から連絡を受けた大田署で解剖した結果、会社員は肺挫傷を起こし、肺内部にたまった血液を気道内に吸い込んで窒息したことが判明したという。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00000101-yom-soci