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2003年09月24日(水) 00時00分

健康被害を追跡調査 松本サリン事件朝日新聞・

  94年6月の松本サリン事件から来年で10年目を迎えるにあたり、松本市は現場周辺の住民ら2千人を対象にした健康調査を実施し、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など後遺症の追跡調査を行う。2千人規模の調査は6年ぶり。有賀正市長は「重篤な患者や、後遺症が残るなどの現実を抱えている人が今もいる。サリンの最初の被害に遭った松本には追跡調査をする義務がある」と言う。

  調査は、医療関係者でつくる「松本市地域包括医療協議会」に市が委託して11月に行う。事件当時、現場周辺にいた住民や救出にあたった消防署員を対象とし、事件後に転出した人も含む。目の異常や体のだるさ、事件を思い出すことがあるかなどをアンケート形式で聞き取る。12月末までに結果をまとめ、希望者には来年1月に健康診断も実施する。

  健康調査はこれまでに11回行った。今年2月にはアンケートの対象者9人、健康診断の受診者7人のうち1人に異常がみられた。調査希望者は年々減っていたが、今年6月に、地下鉄サリン事件に巻き込まれた乗客の多くに目の異常やPTSDなどの症状が残っていることが、大規模な調査の結果わかったこともあり、松本市でも大規模調査を実施することになった。同市地域包括医療協議会長の丹羽康平・松本市医師会長は「症状のある人がいる限り、事件を終わらせることはできない。風化させないためにも、もう一度原点に戻って調査したい」と言う。(9/24)

http://mytown.asahi.com/nagano/news02.asp?kiji=3608