2003年09月24日(水) 22時48分
<医療事故訴訟>病院に全額1億円の賠償命じる 福井地裁(毎日新聞)
長男(12)を出産する際、医師や看護師が適切な処置をしなかったため仮死状態で生まれ、脳性まひの後遺障害を負ったとして、大阪府守口市の両親と長男本人が、医療法人「福井愛育病院」(福井市新保2)を相手取り、介護費用や慰謝料など計1億円の損害賠償を求めた訴訟で、福井地裁は24日、同病院に全額の支払いを命じた。小原卓雄裁判長は「分べん監視装置で胎児に異常が認められたにもかかわらず継続的な監視を怠り、帝王切開の早期判断ができず、低酸素症による脳性まひになった」などと因果関係を認めた。
判決によると、長男は91年1月、同病院で帝王切開で出生したが、既に心肺停止状態だった。心肺蘇生術などで回復したが、同年3月、別の病院で脳性まひと診断された。現在も、日常生活全般で介護が必要な状態にあるという。
病院側は「分べん監視装置で胎児が病的な状態かを判断するのは困難で、脳性まひの原因は不明」などと主張していた。【田辺一城】
石原義紀・福井愛育病院長の話 判決内容を見ていないのでコメントできない。控訴するかどうかは弁護士と相談して決めたい。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00000062-mai-soci