2003年09月20日(土) 03時09分

偽造カード詐欺、“雇われ”日本人５国で３２人逮捕（読売新聞）

　米国や豪州、フランスなど５か国で、偽造クレジットカードを使って高級ブランド品を購入するなどした日本人計３２人（うち女１人）が、現地の捜査当局に詐欺未遂容疑などで逮捕されていたことが１９日、分かった。

　押収された２５０枚以上の偽造カードの特徴が酷似していることなどから、日本の同一グループに、海外での買い物を依頼された疑いが強い。米捜査当局から通報を受けた警視庁などは、国内に、カードの持ち主が気づかない間にデータを盗む「スキミング」なども手がける大規模なカード偽造・詐欺団がいるとみて背後関係の捜査を始めた。

　米捜査当局などによると、今年５月にハワイで偽造カードを使用したり、所持したりしていた日本人３人を逮捕したのが、一連の事件の発端。その後、グアム、オーストリア、フランス、タイ、豪州でも、同様の偽造クレジットカードを使ったり、所持したりしていた日本人が次々と現地警察に捕まった。

　８月１３、１４日、５人が逮捕されたケースでは、まず１人が高級ブランド「カルティエ」のワイキキ支店で、２０００ドル（約２４万円）の時計２個を偽造カードで購入しようとした際に、店員が不審に思って通報し、逮捕された。また、「ルイ・ヴィトン」ワイキキ支店で１２万円のバッグを買ったグループ４人も捕まった。

　調べに対し、グループの１人は「東京都内のパチンコ店で知り合った人物に、ハワイでカードを使って買い物をしてくるよう頼まれた。報酬は１０００ドル（約１２万円）で、あらかじめ購入品リストを渡された」と供述。また、航空料金やホテル代など旅行費用は全額、負担してくれたと話している。

　５人は同じ旅行会社を使って８月１０日ごろ、ハワイのビジネスホテルに泊まり買い物を繰り返した。ホテルの部屋などから約６０万円相当の高級腕時計やシャネルのバッグを含む計約４００万円相当の高級品や、カードと同じ名前の偽造パスポートも押収された。また、ローレックスの腕時計、ティファニーのネックレスなど写真付きのブランド品購入リストも見つかった。

　米捜査当局は、ハワイなどでの捜査結果を踏まえ、各国警察当局に照会したところ、４か国で同様に逮捕された日本人が所持していた偽造カードは、埋め込まれていた偽造防止用ホログラムなどの特徴が酷似していることが判明。カードは同一犯によって偽造された疑いが強い。また、米捜査当局は大手カード会社と連絡を取った結果、偽造カードの名義人となっている日本人から盗難届が出ていなかった。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030920-00000101-yom-soci