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2003年09月19日(金) 15時57分

道路公団通行料金、別納割引廃止へ 値下げの原資に朝日新聞

 扇国土交通相は19日、閣議後の記者会見で、日本道路公団の「通行料金別納制度」を廃止する方針を明らかにした。年間2200億円に上る割引額は、民営化に伴う通行料金値下げの原資に充てる。扇国交相は、廃止によって一般の料金を12%下げられるとの見方を示した。同制度をめぐっては、多額の割引を受ける異業種の事業協同組合による乱脈経営や脱税などが発覚しているが、不正利得が認められる組合には、損害賠償請求を含めた厳しい措置を取るよう、公団に指示したという。

 扇国交相は、制度を不正に使って利益を得ている組合があることに触れ、「一般ユーザーにはあまりに不公平だ。正直者が馬鹿を見ることがないように、廃止を決断した」と述べた。別納制度の利用契約は3年ごとに更新されるため、各組合の契約期限を区切りに、現行制度の適用を打ち切っていく。この方針は小泉首相にも報告した。

 扇国交相は18日、日本道路公団の藤井治芳総裁や国交省道路局幹部らと会談。不正行為が発覚した組合に対しては、制度利用の取り消しや損害賠償請求などを検討するよう指示したという。同制度の問題を放置してきた国交省や公団の責任について「外国だったら不払い運動が起こりかねない制度なのに、なぜ(廃止を)できないのか。組合を徹底的に捜査して処分すべきだ」と述べた。

 通行料金別納制度は大口利用者の高速利用促進を目的に66年に導入された。法人や事業協同組合などを対象に通行料金を最大で30%割り引く。80年代後半から割引を得ることを目的にした異業種の協同組合が急増し、現在は約1200組合が利用する。97〜01年度の割引額は約1兆800億円に上り、料金収入が減る公団にとって大きな負担になっている。割引率の高さが一般利用者向けの割引制度との均衡を欠いているとの指摘もあった。

 一方、同制度を利用して多額の利益を得る東京、大阪、福岡、岡山など各地の組合で、不適切な資金運用や所得隠しなどが相次いで明らかになり、国交省が制度の抜本的見直しを検討。民営化推進委は「公団は制度の問題点を認識しながら放置してきた」として、藤井総裁の責任を追及するとともに、制度の廃止を求めていた。

 <通行料金別納制度> 日本道路公団が発行するカードを利用することで、1カ月分の通行料金を一括して翌月末に後払いできる制度。月利用額が1万4000円を超える部分について5%の割引率が適用され、7万円、70万円、140万円、280万円と利用額が増えるにしたがって段階的に5%刻みで割引率が上がる。700万円を超える部分が最大30%引きになる。ETC(自動料金収受システム)車載器による割引は最大13.8%にとどまり、別納制度の割引率が極めて高い状況にある。

(09/19 13:25)

http://www.asahi.com/business/update/0919/077.html