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2003年09月18日(木) 11時18分

駐車違反の逃げ得許すな…警察庁懇談会が提言読売新聞

 警察庁の「違法駐車問題検討懇談会」(座長・宇賀克也東大教授)は18日、駐車違反の責任を車両の所有者にも広げることや、警察官か交通巡視員しかできなかった取り締まりを民間に委託することを柱とした違法駐車対策の抜本的な改革をまとめ、同庁に提言した。

 警察庁はこれを受け、年内に道路交通法の一部を改正した試案を作成し、国民の意見を聞いたうえで来年の通常国会に法案を提出する方針だ。

 現行の制度では、違法駐車の運転者を特定しなければ反則金を科すことができない。このため、「自分は駐車していない」と主張する運転者の逃げ得を許したり、違反ステッカーをはられた運転者の約2割が出頭して来なかったりする実態がある。懇談会では、慢性的な都市部での違法駐車の実態を解消するため、新たな制度のあり方を検討してきた。

 懇談会は、欧米の制度を参考に、「日本でも所有者の責任を追及すべきだ」とした。その場合、刑事責任を追及するよりも行政制裁金の納付を命じるのが適当と判断した。ただ、責任を所有者だけに限定するかどうかは、「運転者の責任も追及すべきだ」との意見も根強く、引き続き検討の余地があるとしている。

 一方、取り締まりに関しては、違法駐車の事実を確認する作業や、違反書類の作成などを民間企業やNPO法人に委託するよう求めている。民間による公平かつ適正な取り締まりを実現するため、資格制度やみなし公務員規定を設ける必要性も指摘している。

 ◆反則金=駐車違反や信号無視など、比較的軽い違反を反則行為とし、法律で定められた金額を納付する行政上の処分。決められた期限内に納めなければ、刑事手続きが進み、懲役や罰金などの刑罰が科せられる。反則金は国庫に入り、交通安全対策特別交付金として自治体に分配される。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030918-00000003-yom-soci