2003年09月18日(木) 12時20分
<オウム真理教>端本悟被告、2審も死刑判決 東京高裁(毎日新聞)
坂本堤弁護士一家殺害、松本サリン、サリンプラント製造の3事件で殺人罪などに問われたオウム真理教(アーレフに改称)元信者、端本悟被告(36)の控訴審で、東京高裁は18日、死刑とした東京地裁判決(00年7月)を支持し、被告側の控訴を棄却した。仙波厚裁判長は「行為の冷酷、非情さは目に余る。法秩序への露骨な挑戦で、死刑以外の選択の余地はない」と述べた。
教団による一連の事件の控訴審で、死刑判決は、岡崎一明(42)、横山真人(39)両被告=いずれも上告中=に次ぎ3人目で、松本サリン事件では初めて。
判決は、争点になっていた松本智津夫(麻原彰晃)被告(48)=死刑求刑=によるマインドコントロールの影響について「善悪の判断ができない心理的拘束を受けていたとは認められず、刑事責任を左右する根拠にはならない」と判断した。
また、弁護側が「サリンで人が死ぬと思っていなかった」と殺意を否定していた松本サリン事件については「現場の下見に行き、サリンの毒性を説法で聞いていたことなどから、殺意が認められる」と認定。坂本弁護士事件については「弁護士に馬乗りになってあごを6、7回殴り、妻の都子さんの腹をひざで強打するなど、積極的に関与した」と指摘した。
判決によると、端本被告は松本被告に武道の腕を買われ、89年11月、坂本弁護士襲撃の指示を受けて、教団幹部ら5人とともに一家3人を殺害した。94年6月の松本サリン事件では、サリン噴霧車の運転と、警察が介入した場合の警護役として関与し、7人を殺害し、4人に重症を負わせた。【清水健二】
▽弁護人の話
マインドコントロールの主張を理解してもらえず残念。上告したいが、本人の意思を確認したうえで決めたい。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030918-00001031-mai-soci