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ホルマリンを使った養殖フグの出荷問題で、全国水産物卸組合連合会(東京)は17日、「食品としての安全性が確認された」として取り扱うとの統一見解をまとめた。消費者の信頼低下を避けるため、ホルマリン使用フグであることを明確にする流通方法を検討する。
連合会によると、8月下旬に厚生労働省や長崎県などに安全性を問う質問状を提出した。その結果、(1)ホルマリンは天然ものでも含んでいることがあり、残留値は同等かそれ以下で食品衛生法上問題がない(2)出荷前に残留検査で安全を確認する、との回答を得た。
連合会は東京や大阪、福岡など全国の主要都市にある中央市場の主な仲卸42組合で組織され、「組合ごとの対応は独自の判断になる」(事務局)としている。
フグ取扱量日本一の山口県下関市の下関唐戸魚市場仲卸協同組合は、地方市場のために連合会員ではないが、対応を決める際の判断材料にするとしていた。連合会の決定を受け、近く役員会を開いて態度を決める方針。
東京の仲卸業者などから下関の業者に加工依頼が来ることも予想され、これまで取り扱いに反対の意向を示している同組合の中尾隆之理事長は「加工まで拒否するよう意見を統一できるかどうかは分からない」と話した。
長崎県では、ホルマリンを使ったために養殖トラフグ166万匹が一時出荷停止になっている。そのうち約7割を扱う鷹島阿翁漁協(鷹島町)の板谷国博組合長は「これまで市場ごとに対応がまちまちだったのでありがたいことだ」と話した。ただし、まだ十分な大きさに育っていないため、「出荷は少し先になりそうだ」という。
漁協に全量廃棄を求めながら最終的に出荷を容認した県水産部の平子勝広次長は「すべての中央卸売市場での決定ではないので、他の市場がどう判断するか見極めたい」と慎重だ。
ホルマリンを使ったフグを買わないよう呼びかけている日本消費者連盟の水原博子事務局長は「今回の決定で消費者と水産業者との信頼関係が崩れてしまう。業者側はホルマリンを使ったフグを明示すると言っているが、出荷するなら見分ける方法を消費者に公開すべきだ」と話している。
(09/18 06:23)