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長野県上田市緑が丘の国立長野病院(進藤政臣院長)が3日に行った同市内の男子中学生(15)の頭部手術で、血液吸収綿を残したまま縫合するミスがあり、翌4日、綿を取り除く手術で全身麻酔をしたところ中学生の心臓が一時停止し、15日になって死亡したことが分かった。病院から届け出を受けた上田署は、業務上過失致死容疑で関係者から事情を聴いている。病院側は「綿を残したことは明らかなミス」として遺族側に謝罪した。
病院や家族によると、中学生は同院の検査で、脳にうみがたまる脳膿瘍(のうよう)と分かり、8月20日に全身麻酔をかけて管でうみを摘出する手術をし、今月3日に全身麻酔による頭部切開手術で摘出に成功した。しかし、手術後のエックス線検査で約1センチ四方の血液吸収綿が頭部に残っているのが見つかり、それを取り除く手術をしようと、翌4日に麻酔をかけたところ、心臓が一時停止。意識がない状態が続き、15日午前1時すぎ、死亡した。
家族によると、中学生は、右心室と左心室の間の壁に穴があり、3歳のころから東京女子医大の診察を受けていた。家族は「心臓に不安がある」と訴え、血液吸収綿の摘出手術の際にも「麻酔をたびたびかけて大丈夫か」と医師にも問い合わせていたという。
病院側は5日、厚生労働省関東信越厚生局と上田署に医療事故として報告。同署は15日に松本市の信大病院で司法解剖し死因を調べている。
同病院の村澤廣一庶務課長は「綿を頭部に残したことは明らかなミス。全身麻酔が死亡の原因となったかどうかは院内の医療安全委員会で調査している。患者が亡くなられたことは大変申し訳ない」と話す。翌日の手術については「緊急のケースではないが、早く綿を取り除かないと感染のおそれがあるため急いだ」と説明した。
中学生の父親は「息子の死を無駄にしたくない。二度とこのような医療ミスが起こらないためにも裁判を起こしたい」と話している。(09/17 10:54)