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2003年09月10日(水) 15時46分

<ブリヂストン>カーボン飛散 民家135軒に 過去にも事故毎日新聞

 火災のあったブリヂストンの栃木工場で99年7月、タイヤ原料のカーボン(炭素)が貯蔵タンクからあふれ出す事故があり、飛散したカーボンが近隣の民家約135軒に降りかかっていたことが10日、分かった。貯蔵タンクに取り付けられていたセンサー(検知器)の不良が原因だった。付近住民から「火災もあり、引っ越したくなった」との声も上がっている。

 同社広報部によると、事故があったのは99年7月27日午後2時25分ごろで、栃木工場内にある貯蔵タンクのセンサーが故障し、タンクからカーボンがあふれた。カーボンは工場の外にも飛び散り、周囲約400メートル内に建つ民家の屋根などに降り注ぎ、付着した。

 事故後、同工場の総務担当者が被害を受けた約135軒に対し謝罪し、カーボンの清掃を希望した87軒に対しては、業者に委託して家屋の清掃を実施した。故障したタンクは事故から数カ月以内に改善されたという。

 カーボンで家屋が汚された住民の1人は「真っ黒いススがたくさん飛んできて網戸が汚れただけでなく、部屋の中にまで入ってきた。取り除くことができなかったのでえ、工場に対応を求めた」と話す。

 この住民は工場北側に住み、今回の火災でも避難を余儀なくされており、「東北新幹線の那須塩原駅に近くて便利なので越して来た。火災で避難させられたり、粉じんが飛んできたり、いやなにおいがしたりで、別の所に引っ越したくなってしまう。何とかしてほしい」と訴えていた。【柴田光二、小出洋平】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030910-00001070-mai-soci