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2003年09月09日(火) 03時03分

<豊島病院>乳児2人死亡事故 医療機器業者らを9日書類送検毎日新聞

 東京都立豊島病院(東京都板橋区)で00年と01年、医療機器の接続不具合のため人工呼吸を受けた乳児2人が死亡した事故で、警視庁捜査1課と板橋署は9日、医療機器会社2社の幹部と病院の小児科の主治医ら計9人を業務上過失致死容疑で書類送検する。事故の可能性を事前に把握しながら、適切な対応を取らずに販売を続けた業者側の過失と、使用前に安全確認をしなかった医師らの過失が競合したと判断した。医療事故で医療機器会社側の刑事責任が問われるのは極めて異例。

 人工呼吸に使われたのは、医療機器輸入販売会社「タイコヘルスケアジャパン」(世田谷区)の気管切開チューブと、医療機器製造販売会社「アコマ医科工業」(文京区)の小児用麻酔吸入器「ジャクソンリース回路」。00年8月に生後8カ月の男児、01年3月に生後3カ月の男児がいずれも呼吸障害のために、両社の機器を組み合わせて人工呼吸を受け、その後死亡した。ともに機器の接合部分が密着して息を吐くことができなかったのが原因だった。

 愛媛大医学部付属病院で97年、男の子の乳児2人が、タ社の小児用人工鼻とア社のジャクソンリース回路の組み合わせで全身麻酔を受けて呼吸困難になる事故があり、原因は豊島病院と同様、機器の接続不具合だった。愛媛大病院の医師は両社に事故を伝えていた。

 捜査1課は、愛媛大病院の事故後、両社製品を組み合わせて使用しないように警告するなどの対応を取っていれば、豊島病院の事故は防げた可能性があったとみている。両社は愛媛大病院の事故後、薬事法に定められた厚生労働省への報告も怠っていた。

 2人の乳児の遺族はそれぞれ、都と両社を相手に損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。生後3カ月の乳児の事故では今年3月、3者に計約5000万円の支払いを命じる判決が出たが、都と両社が控訴した。8カ月の乳児の事故は1審で係争中。【草野和彦、川辺康広、長谷川豊】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030909-00000148-mai-soci