2003年09月09日(火) 03時11分
判事補・若手検事を2年間弁護士に…法案提出へ(読売新聞)
政府は8日、判事補と若手検事の一部を対象として原則2年間、弁護士を経験させる制度を創設する方針を固めた。多様な経験を積んだ裁判官・検事の育成が狙いで、弁護士活動の期間中、国家公務員の身分は保障される。政府は来年の通常国会に「判事補及び検事の弁護士実務経験法案」(仮称)を提出する。
同法案は、〈1〉弁護士の期間中は、弁護士事務所に雇用され、同事務所から給与を受け取る〈2〉弁護士活動の期間も国家公務員の在職期間に含め、退職金や年金で不利益がないようにする〈3〉弁護士を経験するかどうかは本人の同意を前提とする——ことを盛り込む考えだ。
現在、判事補は全国で計約830人、検事は約1450人いる。昨年度は判事補106人、検事75人が新たに任官された。政府は法案が成立すれば、日本弁護士連合会と協議のうえ弁護士体験希望者の人数を決定する予定。
裁判官の民間企業研修はあるが、憲法で身分を保障される裁判官がいったん職を離れて民間の職業に就く制度は初めて。2000年3月に施行された官民人事交流法によると一般職の国家公務員は、身分を残したまま、3年程度民間企業の「社員」となることが可能になった。しかし、特別職の国家公務員である裁判官と、それに準ずる検事は同法の対象になっていない。
弁護士実務経験制度は、とかく「純粋培養」と批判される裁判官や検事が多い司法のあり方への批判の高まりを受け、政府の司法制度改革推進本部が検討してきた。実務経験する職種としては、国民と直接接する機会が多く、復帰後の職務にも関連が深い弁護士が最適と判断された。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030909-00000101-yom-pol