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2003年09月09日(火) 00時00分

県医療ネット廃止へ 加盟わずか2病院、12市町の負担金無駄に 東京新聞

 県が津、久居など十二市町、各地区医師会から負担金を募って患者のカルテを電子化し、各病院で共通利用する目的で二〇〇二年度から稼働を始めたコンピューターネットワークシステムが本年度中に廃止されることが分かった。県津地方県民局は、廃止の理由としてネット加盟の病院が少ないことを挙げるが、各市町が投資した予算が全く無駄になる格好だ。 (紙山 直泰)

 八日の久居市議会九月定例会で堀山清信議員(共産)が、病院間を結ぶネットワークシステムの存続について質問。野田和弘福祉健康部長が「県が廃止を検討している」と答弁し、事態が明らかになった。

 このシステムでは、患者が複数の病院を受診した場合でも、医師が過去の治療内容を把握できる。しかし、患者の個人情報の流出を危ぐする医師も多く、加盟病院数は伸び悩んだ。津、久居両市と一志、安芸両郡内には約三百の病院があるが、今月八日現在でもネット加盟は久居市内の民間病院二軒だけ。

 県は本年度中にシステムに負担金を出した十二市町などの担当者を集め、廃止を正式に決定する方針。LANケーブル配線などで〇二、〇三年度に市町村負担分を合わせ、計約六千万円の予算を投じている。二年間で約七百万円を負担した久居市福祉健康部は「これまで出した負担金は戻る見込みがない」と頭を抱えている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/mie/20030909/lcl_____mie_____000.shtml