2003年09月06日(土) 22時22分

薬剤耐性ＨＩＶ、検査体制強化へ（読売新聞）

　薬が効きにくい「薬剤耐性ＨＩＶ（エイズウイルス）」の感染者が国内で広がりつつあるため、厚生労働省は６日、国内の耐性ＨＩＶ感染者の実態調査に乗り出し、各医療機関の検査体制を強化することを決めた。

　ＨＩＶ感染者には、ウイルスの増殖を防ぐ薬剤を複数投与する治療が行われ、エイズ発症を抑えることが可能になっている。だが、中途半端な服薬で感染者の体内で耐性ＨＩＶが出現し、第三者が感染すると、十分な治療効果が見込めない。

　国立名古屋病院の最近の調査では、新規感染者のうち、一昨年約５％だった耐性ＨＩＶの感染者が昨年１７％に急増した。しかし、国内全体の耐性ＨＩＶ感染者の実態は十分に把握できていない。

　このため同省では、ＨＩＶの研究者や医療関係者、ＨＩＶ感染者などによる「薬剤耐性対策プロジェクト」を結成。６日開いた会合では、各医療機関の協力を得て調査体制を整備する必要性が指摘された。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030906-00000013-yom-soci