2003年09月06日(土) 00時00分

持ち逃げ株など数億換金 南証券元社長 （東京新聞）

　破産直後に三十二億円分の顧客の株券などを持ち逃げしたとして、警視庁捜査二課が業務上横領容疑で指名手配していた南証券（前橋市、二〇〇〇年に破産）の元社長平田浩一容疑者（３７）＝一日に沖縄県警が別の詐欺容疑で逮捕＝が、持ち逃げした株券などの換金に成功していたことが五日、同課の調べで分かった。換金額は少なくとも数億円に上るという。

　調べでは、平田容疑者は、金融監督庁が南証券の破産申し立てをした二〇〇〇年三月初旬、顧客から預かっていた株券や社債など約三十二億円分（時価二十数億円分）を東京都港区の同証券東京支店から持ち出し着服した疑いが持たれている。

　同容疑者はその後行方不明となったが、同年四月ごろには沖縄県に移り住んだ。同課は平田容疑者が逃走後の比較的早い段階で、株券や社債などを金融ブローカーらに持ち込み、少なくとも数億円分を換金し、仲介した関係者への手数料などを差し引いた額を得ていたとみている。

　同年三月中旬以降、大阪、兵庫、富山、沖縄などの各府県の証券会社に、持ち出された株券などの換金依頼があった。日本証券業協会が証券各社に注意を呼び掛けていたため、実際に証券会社で換金されたケースは少なかった。

　証券会社に換金依頼をした男らは、いずれも金融ブローカーらを経て株券を取得しており、同容疑者の特定には至らなかった。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030906/eve_____sya_____004.shtml