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2003年09月03日(水) 00時00分

不稔障害 各地で深刻県農作物不順天候対策連絡会議で不稔の深刻な状況が報告された=県庁で朝日新聞・

十和田湖町で77.9% 県、対策本部設置へ 93年以来

 低温と日照不足の影響で、県内各地の水田が深刻な不稔障害に見舞われていることが2日、県の調査で確認された。特に上十三、三八地区でひどく、十和田湖町では不稔の割合が全体の77・9%を占める水田もあった。深刻な状況を受けて、県は93年の大冷害以来となる全県的な対策本部の設置の検討に入った。本部ができれば、県が進めてきた対策に農協をはじめとする関係団体も巻き込んで取り組むことになる。

 不稔は低温の影響で開花しても実ができない状態。県は1日に県内187カ所の水田で発生状況を調べた。2日に開かれた県農作物不順天候対策連絡会議の第2回会合で、各農林水産事務所が調査結果を発表した。

 調査の結果、不稔は平年なら津軽地方で5%、県南地方で7%ほどの発生にとどまっているのが、今年は十和田湖町で77・9%(むつほまれ)、十和田市で65・1%(ゆめあかり)に達した。

 このほか、新郷村で68・3%(同)、福地村で56・1%(同)、天間林村で59・2%(同)、五戸町で49・9%(同)、川内町で49・1%(同)、むつ市で49%(同)などとなっており、県東部で不稔が目立つ。

 県は被害がここまで深刻になった理由として、十和田市では最低気温が7月27日に10・5度、翌28日に9・6度と極めて低かったことに加え、この時期に水稲が最も低温に弱い「穂ばらみ期」を迎えていたためと分析している。

 連絡会議後に記者会見した県農林水産部の秋谷進部長は、冷害による水稲被害について「これからの気温、日照で挽回(ばんかい)できる」としていた見解を変え、「非常に深刻な状況にある」と述べた。

 秋谷部長は作況指数についても、これまでは「90を少し下回る程度ではないか」と予想していたが、「今回の報告で大きく変わった」と話し、大幅に下方修正せざるを得ないという見方を示した。

(9/3)

http://mytown.asahi.com/aomori/news01.asp?kiji=5123