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2003年09月03日(水) 14時33分

ネットオークション、優良出品者が一転詐欺師に読売新聞

 インターネットオークションでの詐欺被害を防止しようと各運営会社が設けている「評価システム」を悪用した新手の詐欺被害が、全国で増えている。被害者はすでに数千人にのぼるとみられ、一部は警視庁などが詐欺事件として摘発した。

 過去の取引実績をもとに、取引相手の信用度を示すのが目的だが、これを逆手に取り、良好な実績で評価を高めたうえで、一気に詐欺を実行する手口だ。ネットオークション市場の急成長を支えてきたとも言える制度が揺らいでおり、運営会社や利用者の間に波紋を広げている。

 ネット上で商品を競売にかける「インターネットオークション」では、広がりを見せ始めた1990年代後半、「商品が届かない」「商品を送ったのに、現金が振り込まれない」などのトラブルが相次いだ。このため、各オークションサイトは評価システムを取り入れていった。出品者と落札者がお互いに評価しあうシステムで、取引後に、「良い」「悪い」などの評価をつけ、コメントも掲載できる。このため、評価欄さえ見れば、評判の悪い業者は敬遠されるはずだったが、昨年10月以降、この仕組みを逆手にとる詐欺事件が相次いだ。

 警視庁が今年3月に逮捕した埼玉県の無職男(29)(詐欺罪で起訴済み)は、昨年6月ごろから、デジタルカメラなどの電気製品を安く出品し、落札者に迅速に送ることで高い評価を得た。当初の約500人には商品を届けたが、昨年夏以降は、金だけ受け取るようになり、警視庁の調べに対し、「2000人から4000万円をだまし取った」と供述している。ある男性被害者(41)は「500件の取引歴を見たので十分信頼できると思った」と悔しがる。

 昨年10月には、ネット上で高い評価を得ていた無職女性(33)が大阪府警に詐欺の疑いで逮捕された。女性は1か月で二百数十人から、数億円をだまし取ったとみられている。

 摘発例自体はまだ少ないが、ヤフーなどによると、今年に入っても被害は全国で確認されている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030903-00000006-yom-soci