2003年09月02日(火) 13時18分

イニシャル表記で名誉棄損　野村沙知代さんが勝訴（共同通信）

　「イニシャル表記でも、自分と分かる単行本の記述で名誉を傷つけられた」として、野村沙知代さん（７１）が、茶道家の塩月弥栄子さん（８５）に１１００万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は２日、７７万円の支払いを命じた。
　本では野村さんが改名する前のイニシャルと同じ「Ｙ」を使って記述していたが、浅香紀久雄裁判長は「『２８年前に自分の秘書をしていた人物』と特定しており、Ｙさんが野村さんを指すと分かる人は相当数に上る」と判断、「印税を横領したかのような記述で社会的評価を低下させた」と名誉棄損を認めた。
　判決によると、塩月さんは１９９８年発行の自著で「元秘書のＹさんが無断で高価な絵画を買うなどしたため辞めてもらった」「Ｙさんは印税の一部を自分の口座に振り替えた」などと書いた。野村さんは６８年ごろから数年間、塩月さんの秘書を務めていた。（共同通信）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030902-00000064-kyodo-soci