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2003年09月02日(火) 13時15分

東大病院で輸血ミス 20代の女性患者重体記者会見の冒頭、頭を下げる東大病院の花岡一雄・麻酔科診療科長(左)、永井良三院長(中央)ら=2日夜、東京都文京区の東大病院産経新聞

 東大病院(東京都文京区本郷)は2日、肝臓の病気で入院した関東地方の20歳代女性への手術で、輸血の際に誤って血管内に空気を注入する医療ミスがあり、女性が意識不明の重体になった、と発表した。

 東大病院は警視庁本富士署などに事故を報告。同署は業務上過失致傷の疑いもあるとみて病院から事情を聴く。

 同病院によると、手術中の1日午前、男性研修医(24)が輸血量を増やしたところ、女性が不整脈を起こし心臓が停止した。超音波検査の結果、心臓などに空気が混入したことが判明した。

 血を送り込む急速輸血ポンプの管の密閉が不十分だったうえ、空気感知器の設置場所が適当でなかったことが原因とみられる。

 ポンプは通常の輸血ポンプの数十倍の速さで輸血可能で、急激に輸血量が増えると、その分、空気混入の危険性が増す。制御が難しく、同病院では操作は麻酔科の専門医が行い、研修医が扱うことは許されていない。

 専門医(43)は手術前、研修医にポンプを触らないよう指示したが、ほかの手術を監督するため数分間手術室を離れており、研修医が操作した。

 手術を行った外科医が「今日の輸血量は多めに」と指示したところ、研修医は「輸血量を今すぐ増やすように」と思い込み、反射的にポンプを操作したとみられる。

 永井良三同病院長は「重大な事故を招き、誠に残念。深くおわび申し上げます」と謝罪した。

http://www.sankei.co.jp/news/030902/0902sha120.htm