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ネット上での攻撃は7月下旬、この問題が一部スポーツ紙で報じられた直後から開始。当時、報道は匿名だったが、掲示板には実名での攻撃が展開された。
その内容は「道頓堀で水死体 『阪神優勝』を商標登録した男性と判明」などの嫌がらせだけではない。
「阪神ファン総動員で自殺に追い込もう」といった書き込みには、「こいつの家を放火する。よく燃えるようにガソリンを撒く」「(田沢氏を)リンチすること。家族にもリンチを行う」と“脅迫”の数々が並ぶ。
阪神優勝に向け、虎党は盛り上げる一方 事態を重く見た地元警察は田沢氏に掲示板のコピーを渡し、注意を呼びかける一方、自宅周辺にパトカーを巡回させるなど警戒を強めている。
交渉決裂後に増え続ける3000件近い書き込みの中には「こいつは地獄を見る必要がある」「たぶん暗殺される」などの過激な表現も…。
田沢氏は「車で帰宅する際、自宅付近を数周して安全確認するのが習慣になりました。対応に追われ、帰宅は連日未明。いつもは起きている家族も寝静まり、台所で1人みそ汁をすすると『何でこんなめに…』と泣けてきました」と話す。
一連の攻撃はネットの匿名性から、誰が行っているか不明だが、「田沢が球団へ嫌がらせをしている」「金目当て」という2つの誤解が原因とみられる。
だが、田沢氏は一貫して「球団が『阪神優勝』を垂れ幕などで使用してもクレームは一切つけない」と主張。金銭面も「私が求めたのは今後もグッズが販売できる権利だけ」とし、こう話す。
「『億の金が動いた』とする人もいますが、球団が提示したのは100万円で、今まで球団からもらった物は、交渉の席で村瀬(勲)常務におごってもらったアイスコーヒー1杯だけ。例え、準備したグッズがバカ売れしても、私の手元に入るのは200万円程度」
それだけに、一部で「商標ブローカー」と報じられ、ある女性タレントからは「死刑だ!」とまで罵倒された田沢氏のショックは大きい。
一方、優勝に対する阪神グループの期待は「Xデー」に向けて徐々に高まる。
先月下旬には、大阪市北区の阪神百貨店周辺の百貨店に対し、優勝セール開催を認めない方針を表明。「前回日本一になった際、同百貨店は約60億円を売り上げた。利益集中のため、他店にクギを打ったのだろうが、低迷する関西経済全体のことを考えるなら、セコいマネはしない方が…」(流通アナリスト)との声もある。
阪神百貨店のセール会場には、「阪神優勝」を使わず、「祝優勝阪神タイガース」などと書かれたグッズが並ぶ見通しだ。
登録問題では、球団は先月29日、特許庁に登録の無効審判を請求したが、裁判の判決に相当する審決が下るまでには通常1年かかるという。
球団側は「100%勝てると信じている」と強気の構えだが、田沢氏も「負ける気はしない」と話している。
ZAKZAK 2003/09/01