2003年09月01日(月) 20時49分
道路公団隠ぺい記事巡る名誉毀損訴訟、片桐氏側が否定(読売新聞)
日本道路公団の財務諸表隠ぺい疑惑を報じた月刊「文芸春秋」の記事で名誉を傷つけられたとして、同公団と藤井治芳総裁が、内部告発した同公団四国支社調査役の片桐幸雄氏と文芸春秋などに、3000万円の賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が1日、東京地裁であった。
片桐氏側は答弁書で、「記事には高い公共的価値があり、内容も真実」と名誉棄損を否定した。
また、「裁判で適切な判断を下すには、財務諸表が何種類あるかを明らかにすることが必要」として、公団側に証拠提出を求めた。
訴えによると、今年8月号の月刊「文芸春秋」は、債務超過となった公団の財務諸表を藤井総裁が隠ぺいし、担当者を左遷させたとする、片桐氏の手記を掲載。公団側は「虚偽の事実で名誉を傷つけられた」としている。
公団の改革派とされる片桐氏は四国支社副支社長への異動後の先月、「枢要ポストに置くことは組織運営上支障がある」との理由で、同支社調査役となった。
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日本道路公団は、1日開かれた政府の道路関係四公団民営化推進委員会に、財務諸表隠ぺい問題で事情聴取を求められていた職員6人を欠席させた。その理由について、公団側は「まず内部調査をした公団が組織として説明させていただきたい」などと述べた。
この6人とは別に、片桐氏もこの日の委員会を欠席した。片桐氏は公団と民事訴訟中であることを理由に欠席の意向を示していた。
同委員会は公団側に対し、片桐氏らの聞き取り調査に関する書類の提出を求めたが、藤井総裁は「民事訴訟のほか、(名誉棄損などで)刑事告訴の手続きにも入っている。弁護士と相談しないと分からない」と語った。(読売新聞)
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