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山口組系暴力団五菱会（ごりょうかい）系によるヤミ金融事件で、出資法違反容疑（高金利）で警視庁などの合同捜査本部に再逮捕された元暴力団幹部の梶山進容疑者（５３）は、ヤミ金融組織を操る一方、俳優や劇画作家らとのパーティーなど華やかな舞台にもよく顔を出していた。逮捕の１カ月前には、都心に床面積３００平方メートルを超える自宅を新築していた。捜査本部はこうした点を含め、ヤミ金融で得た収益の流れを解明中だ。
「ＪＲ山手線の内側で、約４０店のチェーンを持つ金融業のオーナーです」。劇画作家の村上和彦さん（５８）は００年６月、東京のホテルのパーティー会場で、知人に梶山容疑者をそう紹介された。
村上さんは暴力団を題材にしたＶシネマの原作者として知られる。会場には出演した俳優らが約１８０人いた。「寡黙だが、周囲を気遣う好人物と感じた」と印象を話す。その後、忘年会などに招いたり、招かれたりして年に３、４回会っていた。最後に会ったのは今年６月だ。
仕事の内容を尋ねると「別に大したことしてませんよ」とはぐらかされることが多かった。
梶山容疑者の自宅は新宿区にある。登記簿によると、約３８６平方メートルの敷地は、昨年４月まで代表取締役だった会社が００年に公売で取得した。地上２階、地下１階の延べ床面積約３０３平方メートルの上屋は、木造鉄骨、鉄筋コンクリート造りで、今年７月１７日に新築した。
土地と建物に、関連会社２社が極度額計３億８０００万円の根抵当権を設定している。
梶山容疑者が昨年１０月まで幹部だった暴力団組織のトップは、五菱会（本部・静岡市）の高木康男会長（５４）だ。捜査本部の調べでは２人とも静岡市出身で、中学時代からの遊び仲間だったという。梶山容疑者は以前、山口組系ではなく指定暴力団稲川会系の組員だった。その後、経緯は不明だが、高木会長が組長だった山口組系３次団体の陣内組に移り、ナンバー２となった。(08/30 15:01)