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2003年08月30日(土) 02時23分

ネットカフェ闇も結ぶ? 第5の中国人は元店長 東区一家殺害西日本新聞

 福岡市東区の衣料品販売業松本真二郎さん=当時(41)=一家四人殺害事件で、福岡県警捜査本部が、入管難民法違反(不法残留)容疑で指名手配した中国・遼寧省出身の男(25)が一時期、同市内でインターネットカフェの店長をしていたことが二十九日、分かった。事件直後に帰国し所在不明となっている日本語学校元生徒(21)ら一連の捜査で浮上した中国人男女五人は、このネットカフェ仲間とみられ、捜査本部は交友関係を詳しく調べている。

 調べでは、この男は同市中央区内のコンピューター専門学校の三年生。昨年十一月ごろ、同市内にオープンした中国人向けのネットカフェで、閉店する今年三月ごろまで店長をしていた。店は、二十代後半の別の中国人が実質経営者とみられるが、テナント料の支払いが滞るなどして閉店。元店長の男は、閉店後の五月、専門学校に姿を見せなくなったという。

 事件直後に帰国した日本語学校元生徒と、元生徒と一緒に帰国した北九州市内の私立大の元留学生(23)は一時期、このネットカフェに出入りしていたとみられる。

 捜査本部は、元店長の男と同じ専門学校の生徒で、傷害罪で起訴された河南省出身の男(23)や、入管難民法違反(不法就労)容疑で逮捕した陝西省出身の女(21)も、このネットカフェに出入りし、互いに連絡を取り合っていたとみており、事件について何らかの事情を知っている可能性もあるとみて調べている。

■なじめぬ生活…安らぎ求めゲーム、電話 「网〓」急増 よからぬ誘惑指摘も

 中国語で「网〓」(ワンバー)。日本の街角でパソコンが楽しめる中国語専用のインターネットカフェのことだ。現在、福岡市内では少なくとも五店が営業、このうち三店は今春のオープンで、いずれも土曜日の夜は順番待ちができるほど盛況という。格安の国際電話、そして同胞が集う空間として福岡で暮らす中国人の人気を集めているが、その一方で、日本の生活になじめない就学生らが入り浸りになるケースも目立っている。 (社会部・山本敦文)

■会員は400人

 同市博多区にあるマンション。2DKの仕切りを取り払い、「网〓」に改装した。照明を落とした二十畳ほどのフローリングの部屋。二十七台のパソコンが並び、中国語が飛び交う。

 料金は一時間百円。パソコンをインターネットで結び、中国本土の利用者と対戦ゲームに興じる就学生、一分間六円のインターネット電話で、中国の「网〓」にいる友人と会話する留学生もいた。

 営業時間は午前十時から同三時まで。日本のインターネットカフェと違い、個室はなく、飲み物のサービスもないが、会員数は約四百人に上る。

 「料金が安いからもうかるビジネスではない。ただ、日本で頑張っている中国人がたくさんいる。人助けのようなものですよ」。日本人の夫がいる経営者の中国人女性はそう話した。

■入り浸って退学

 「网〓」が福岡に次々と登場している背景にあるのは、就学生と留学生の増加だ。福岡県内で学ぶ中国人は約四千三百人(二〇〇三年四月時点)で、五年前の二倍。中国の高学歴志向と、日本の少子化に悩む大学や専門学校の積極的な受け入れが、右肩上がりの数字を後押ししている。

 ただ、「网〓」に対して批判的な声もある。福岡市博多区の日本語学校では、昨秋から男子就学生(24)の出席率が三分の一に落ちた。「勉強が面白くないから」。就学生は、そんな理由で「网〓」に入り浸っていたという。学校側は再三注意したが、就学生は結局、今年二月に退学した。

 同校は「一部の学生は寂しさや生活の苦しさから精神的に不安定な状況に置かれており、「网〓」でよからぬ誘惑に引っかかる可能性も否定できない」と指摘。「勉強がおろそかになる」などの理由で、「网〓」への出入りを禁止している日本語学校もある。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030830-00000015-nnp-kyu