おれおれ詐欺未然に防止　信金職員８０歳女性客の孫に電話確認（東京新聞）

2003年08月30日(土) 00時00分

　「おれおれ詐欺」が全国で頻発する中、木更津市の千葉信用金庫岩根支店の職員稲田知栄子さん（５１）が、同市の女性（８０）が被害に遭うのを事前に食い止め、周囲で評判になっている。

　稲田さんは二十五日午前十時ごろ、現金自動預払機（ＡＴＭ）コーナーで、この女性に応対。「孫が渋谷で交通事故を起こし、七十五万円を送金するよう言っている。相手に払わなければ警察に通報されるらしい」と女性が話した。

　支払い後に携帯電話に連絡するよう指示されているなど、不自然な点があることから、稲田さんが相手方に電話した。すると「怪しいものではない。おばあちゃんに代わってほしい」などと言い、振り込みを要求してきたという。

　稲田さんはおれおれ詐欺と直感。同市内に住む女性の孫に連絡を取ったところ、事故もなく送金の電話もしていないことが分かった。女性は木更津署に被害届を提出したという。

　稲田さんは「弱いお年寄りを狙うなんて許せない。事件を防げて良かった」と喜んでいる。

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