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東京都世田谷区の伊藤脳神経外科病院(伊藤誠康院長)で02年1月、入院患者がセラチア菌による院内感染で死亡したとされる事故で、警視庁は29日にも、伊藤誠康院長(46)と看護師長を業務上過失致死傷容疑で書類送検する。
捜査1課の調べでは、伊藤院長らは02年1月、血液が固まるのを防ぐ「ヘパリン生食(生理的食塩水)」を院内で作り置きして、数日間にわたって点滴などで使用するなど衛生管理を怠り、入院していた患者12人を弱毒性腸内細菌の一種のセラチア菌に感染させ、当時24歳から91歳までの患者6人を死亡させ、6人を発症させた疑い。
同院は、無菌装置内でやるべきヘパリン生食の調合作業を、衛生状態の悪いナースステーションでやっていたとされる。ナースステーションの手洗いタオルからも菌が検出されており、同課は、病院の衛生管理全体がずさんだったとみている。
世田谷区は昨年5月にまとめた報告書で、点滴のために血管に針を刺したままにする「留置針」と、ヘパリン生食を使用した患者の発症が多いことから、「ヘパリン生食がセラチアに汚染され、血流感染を起こした可能性が示された」としていた。検体を調べたところ、菌のDNAパターンも一致したことから、患者12人(うち死者6人)に感染したとし、別の12人(同1人)は感染の疑いがあると結論づけていた。
<セラチア菌> 腸内細菌の一種で、病原性は弱いが、体の抵抗力が落ちた人に感染しやすく、尿路感染症や呼吸器感染症を起こす。外科手術後の感染症の原因にもなる。院内感染の場合、尿路カテーテルや血管カテーテルなどの医療器具を通じて感染することが多い。(08/29 01:30)