2003年08月28日(木) 00時00分

トルエン指針の７６倍＝港区子育て支援施設（朝日新聞・）

　港区は２７日、子育て支援施設として再活用される予定だった旧青葉幼稚園（南青山２丁目）の改修工事に問題があり、シックハウス症候群の原因物質とされるトルエンが最高で国の指針値の７６倍も検出されたと発表した。区はトルエンを除く再改修工事をし、予定から３カ月遅い９月から施設をオープンさせる。

　原田敬美区長は、この問題と自己負担割合を誤記した老人保健医療受給者証を配布した問題を重視し、１０月の給料を区長は２割、助役は１割、それぞれ削減する条例案を９月区議会に出す。

　旧幼稚園の改修工事が終わったのは今年３月。改修後、乳幼児を預かるなどの子育て支援事業をする予定のＮＰＯから「臭気が強い」と指摘され、問題が発覚した。

　区によると、トルエンが含まれる床の仕上げ材が使われたが、通常は１カ月半ほどで蒸発するという。だが、蒸発前に急きょ、床にタイルカーペットを張る工事を追加。トルエンが床にしみ込んで蒸発できなくなったという。

　この事業を担当する戦略事業推進室が、工事を基本設計した施設課に相談せず、トルエンの特性もよく知らずに追加発注したことが基本的な原因。推進室は、工事中の２月にＮＰＯから「床をフローリングにして」と要望されたが、工期が迫っていたため、「次善の策」として追加工事を発注した。

　区は「不自然な分離分割発注はしない区の方針を再認識させる」として当時の推進室長ら３人を訓告や厳重注意などの処分にした。記者会見した原田区長は「連携ミスがあった。このようなことがないようにしたい」と語った。

（8/28）

http://mytown.asahi.com/tokyo/news02.asp?kiji=2410