2003年08月28日(木) 00時00分
不妊治療訴訟/国に770万円賠償命令(朝日新聞・)
「排卵誘発剤で後遺症」訴訟高裁秋田支部 一審判決変更 秋田大学医学部付属病院で排卵誘発剤を使った不妊治療を受けた後、脳血栓症を発症し、左腕が動かなくなるなどの後遺症が残ったとして、鹿角市の女性(41)が病院を設置している国を相手取って約9657万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が日、仙台高裁秋田支部であった。矢崎正彦裁判長は、一審の秋田地裁判決の一部を変更し、国に対して770万円を支払うよう命じた。
判決によると、女性は92年1月から同病院などで、排卵誘発剤を使った不妊治療を受けた。体外受精の後、受精卵を体内に戻されて退院したが、吐き気などの症状を発症し同年7月、同病院に再入院。脳血栓症となり、左腕が動かないなどの後遺症が残ったという。
一審の秋田地裁は、排卵誘発剤と脳血栓症の因果関係を認め、副作用に関する担当医の説明不足を指摘して国側に330万円の支払いを命じた。これに加え、この日の判決で矢崎裁判長は「大学病院の医師らは、原告に対する経過観察を怠ったことによって原告に精神的苦痛を与えた」などと指摘し、一審より重い損害賠償を命じた。
秋田大は判決後、「大学側の主張が受け入れられず、まことに残念。判決を精査した上で、関係機関と十分に協議、検討して対処していきたい」とコメントした。
(8/28)
http://mytown.asahi.com/akita/news02.asp?kiji=4953
|