2003年08月26日(火) 00時00分
本格稼働に住民淡々 住基ネット(朝日新聞・)
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の本格運用となる2次稼働が始まった25日、都内の自治体は朝から対応に追われた。昨年8月の1次稼働から参加している自治体はもとより、不参加を貫く国立市、離脱から参加に転じた中野区、国分寺市など、窓口の1日を追った。
世田谷区 世田谷区役所で、窓口を訪れた女性会社員(24)は「メリットが分からないカードの交付を受けるつもりはない」。
同区のカードは、現時点では区独自の行政サービス機能もなく、身分証程度の利用価値しかない。交付手数料は千円。このため区は、今年度のカード申請者は区民の1%前後で、運転免許証などを持たない高齢者が中心とみる。「公共施設の利用申請などにカードを使う案はあるが、図書館カードなどはすでに発行済みで二重投資になってしまう。どんな行政サービスを付加すべきか、具体的な検討はこれから」と地域窓口調整担当課。
目黒区 区の情報公開・個人情報保護審査会から「区民の個別の接続中止請求を認めるべきだ」という答申を受けながら、逆の判断をした目黒区。区内5カ所で91件のカードの申請があり、パスポートや免許証を示した49人に即日交付された。残る人は後日届く照会書を手に再度、受け取りに行く。
カードを交付されたカメラマンの村山厚志さん(40)は「住所と生年月日程度の情報なら流出しても大した被害はない。クレジットカードの情報流出の方が怖いよ」と話した。水野弘文さん(72)は「個人情報がもれる危険性が気にならないわけじゃないが、そういうことが起きたら大問題になるから、かえって安心感もある。とりあえず取っておけば便利だろうと思って申請した」。
杉並区 横浜市と同様、「選択制」によるネット参加を表明した杉並区。国や都との協議が進まないままこの日を迎えた。都のコンピューターと接続していないため、住基カードの交付や、住民票の写しの広域交付、転入転出届の一部簡略化などのサービスができない。
転出届を出した男性会社員(33)は「2次稼働の日とは考えもせずに来ました。手続きすることはめったにないので、参加していなくても困ることはないと思う」。
中野区 8月に離脱から参加へ転じる表明をした中野区では「区の2次稼働がいつから始まるかなどの問い合わせはあったが、困ったことは起きなかった」(区民課)という。
小金井市 1次稼働に参加し、議会の反発などから今回の2次稼働への参加を見合わせている国分寺市。市によると、市民の1人が勘違いし、住基カードの交付申請のため窓口を訪れた。市の担当者は「特に混乱はない。他の市町村はどうあれ、国分寺は国分寺として淡々とやるだけ」と話した。
(8/26)
http://mytown.asahi.com/tokyo/news02.asp?kiji=2405
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