2003年08月26日(火) 22時25分
裁判員制度や迅速化…地裁所長が出張講演−−宇佐で来月6日、司法改革解説 /大分(毎日新聞)
大分地裁の西理所長が9月6日午前10時、宇佐市の宇佐文化会館で講演「司法制度改革と調停委員制度」(中津宇佐豊後高田調停協会主催)を開く。「開かれた司法」を目指す司法改革の一環で、地裁所長による講演は珍しい。
西所長は市民が刑事裁判の判決に携わる「裁判員制度」や裁判の迅速化など司法改革について話す予定。調停制度も解説する。今回の講演は、西所長が山香町出身という縁もあり、実現したという。
大分地裁中津支部の小松康男庶務課長は「裁判所の職員研修以外、こういう機会はほとんどない。今後はこういう機会を増やしていきたい」と話す。【船木敬太】
◇制度解説する「模擬調停」も
講演のほかにも午前11時ごろから調停委員約20人が裁判官や債務者役などに扮(ふん)して、離婚や借金問題の調停を再現する「模擬調停」を行う。
調停制度は裁判官や調停委員が立ち会い、当事者同士が話し合いで問題を解決する制度。非公開で、一般の裁判より安価で短期間で終わることが多いが、制度が知られていない。
近年は特に多重債務などの問題などを扱う「特定調停」の件数が急増。この制度は多額の債務を抱え、支払い不能に陥る可能性のある個人や法人を救済するため00年から始まったが、地裁によると01年度は4094件だったのが昨年度は5581件に急増している。
調停委員の永吉一衣さん(53)は「困っている人が多いのに、制度が知られておらず、調停自体も敷居が高いイメージがある。この機会に知ってほしい」と話す。
入場無料。裁判官による質疑応答も。問い合わせは大分地裁中津支部0979・22・2115。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030826-00000002-mai-l44