2003年08月22日(金) 00時00分
雪印乳業が食中毒で和解 4家族に110万円支払い 謝罪と再発防止盛り込む (東京新聞)
約1万3000人が下痢などの症状を訴えた雪印乳業の集団食中毒事件で、同社を提訴した京都府、大阪府、兵庫県の5家族9人のうち計約370万円の損害賠償を求めた4家族8人について、同社が和解金計110万円を支払うことなどを条件に大阪地裁(小久保孝雄裁判長)で22日、和解が成立した。
食中毒後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、同社に計約6400万円を求めている大阪府の女性(74)は、和解した4家族に比べ症状が重く立証が途中のため、和解せず審理を続行する。
弁護団によると、和解条項には「雪印乳業は食中毒被害について謝罪し再発防止に努める」との文言が盛り込まれた。和解金は被害程度に応じて分配され、1家族70万—10万円が支払われる。
田中厚弁護団長は「被害者にとって十分な額ではないが、治療期間を重視した交通事故での損害賠償額の算定基準に比べれば満足のいく結果となった」と評価している。
訴えなどによると、2000年3月、雪印乳業大樹工場(北海道)で、黄色ブドウ球菌が出す毒素が脱脂粉乳に混入。原告らは、同社大阪工場がこの脱脂粉乳を使って製造した低脂肪乳を飲むなどして下痢などを起こした。
裁判所が今年7月、和解を勧告していた。
刑事事件では大阪地裁が今年5月、大樹工場の元工場長ら2人に業務上過失傷害罪で有罪判決を言い渡し、確定した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20030822/fls_____detail__058.shtml