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雪印乳業(本社・東京)の乳製品による00年6月の食中毒事件で被害を受けたとして、5家族が同社を相手に損害賠償を求めた訴訟の和解が22日、大阪地裁で成立した。同社が原告のうち4家族に対し総額110万円の和解金を支払う。原告弁護団によると、症状の重い残りの1家族は訴訟を続けるという。
和解条項には「雪印乳業は被害者らに低脂肪乳による食中毒被害について謝罪し、再発防止に努めることを誓う」との文言も盛り込まれた。
4家族は計約370万円の支払いを求めて01年に提訴したが、雪印乳業側が低脂肪乳を飲んだことと被害症状との因果関係について争い、裁判が長期化していた。
原告弁護団によると、7月に裁判長から和解勧告があり、双方が裁判所の示した案を受け入れた。原告側は、食中毒による被害だと証明することが難しい被害者にも一定の賠償がなされた▽雪印乳業側が謝罪と再発防止を誓約した——ことなどから和解に応じることを決めたという。
和解成立後、大阪司法記者クラブで記者会見した原告弁護団長の田中厚弁護士は「因果関係の立証が困難な食中毒被害で製造物責任を問う訴訟は制度上、限界を感じる。被害者にとって決して十分な額ではないと思うが、現行の制度を考えれば評価できる内容だ」と話した。
5家族は調停が不調に終わったり、同社からの説明が不十分だと感じたりしたため、訴訟に踏み切っていた。「雪印の被害者への補償は場当たり的」などと主張していた。
<雪印乳業パブリックコミュニケーション室の広部敏昌室長の話> 多くのお客様に多大なご迷惑をおかけ致しましたことを心よりおわび申しあげます。二度と食中毒事件を起こさぬよう、品質管理の徹底に取り組んでおります。(08/22 20:24)