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2003年08月21日(木) 00時00分

『おれおれ詐欺』 30件、2200万円被害 7月末まで 東京新聞

 息子や孫を装って高齢者に「おれだよ」と電話をかけて現金をだまし取る「おれおれ詐欺」の被害が、七月末までに県内で三十件あり、被害額が約二千二百万円に上ることが二十日分かった。被害は今月に入っても相次ぎ、被害総額は二千五百万円を超える。県警は高齢者に注意を呼び掛けている。 (清水 俊介)

 おれおれ詐欺の代表的な手口は、高齢者に「おれだよ」と電話をかけて息子や孫と信じ込ませ、交通事故の示談金などと称して、指定の銀行口座に振り込ませるもの。五月ごろから首都圏で多発している。

 県警の集計によると、五月中旬に相模原市内で最初の被害があったのを皮切りに、七月末までの二カ月半で既遂が計三十件、未遂が計十二件に上った。一度の被害額は五十万円前後が中心だが、二百十万円をだまし取られた被害者もいた。未遂の中では一度に三百万円をだまし取ろうとするケースもあった。

 被害者は六、七十代の高齢者を中心に四十七−九十一歳までで、女性が約六割。被害は県内全域に広がっている。

 振り込ませる口実は、交通事故の示談金や車の修理代が約八割で、ほかに妊娠の中絶費用、借金の返済というのもあった。いずれも「おれだよ」という電話は平日の午前十時から午後二時ぐらいにあり、その日のうちに指定の銀行口座に振り込まれるケースが多かった。

 被害は今月に入っても相次ぎ、横浜、逗子、海老名市などで十件ほど確認されている。県警では「未遂や被害に遭ってもだまされたことに気付かない場合、警察に届けないので、実際は犯人からの電話はもっと多い。ほぼ毎日高齢者が狙われている」と指摘。「話が本当の場合もあるので振り込む前にもう一度、自分の息子や孫に電話して、話が真実かどうか確認してほしい」と防止策を呼び掛けている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20030821/lcl_____kgw_____000.shtml